ヒト試験の方法・デザイン

機能性表示食品の安全性や効果を示すにはエビデンスが必要です。エビデンス取得するためにヒト試験を行います。ヒト試験とは?目的と必要性、試験を行うメリットについて解説します。ヒト試験の方法には、オープン試験や単盲検試験、二重盲検試験の3種類があり、それぞれについてもまとめましたので、参考にしてください。

ヒト試験とは?

ヒト試験とは、健康食品やサプリメントなどの有効性や機能性、安全性を客観的に確認するために、 実際の人を対象にして行われる試験です。動物試験や細胞試験では把握しきれない反応や変化を評価できるため、 製品の信頼性を裏付ける重要な研究手法として活用されています。

試験は、まず目的や評価項目をまとめたプロトコル(試験計画書)の作成から始まります。 その後、倫理審査委員会で安全性や妥当性の確認を受け、条件に合う被験者を募集します。 試験期間中は、設定された方法で摂取や測定を行い、終了後に得られたデータを解析します。 最終的には結果を報告書や論文としてまとめ、製品の機能性を示すエビデンスとして活用します。

ヒト試験の目的と必要性

食品の安全性や機能を生活者の実生活環境に近い形で検証するニーズが高まっています。有効性や安全性を示すには、ヒトを被験者とした研究が重要です。

研究者や開発企業では、ヒト試験の結果をエビデンスとして機能性表示食品の届け出や特定保健用食品の承認申請に利用しています。

商品だけではありません。食品の素材にも活用されており、企業に販売する際、有効性や安全性をヒト臨床試験で検証している食品素材の方が、付加価値が高くなります。

ヒト試験を行うメリット

ヒト試験を実施するメリットは、商品の販売前に有効性と安全性を科学的に検証できる点にあります。

人体に関する研究は、いまだ解明されていない部分も多く、動物実験や細胞実験で良好な結果が得られても、人において同様の効果が現れるとは限りません。実際に人が摂取した場合の反応を確認することで、製品の信頼性をより高めることが可能です。良好な結果が得られれば、製品の有効性や安全性に対する評価が向上し、市場での競争力強化にもつながります。

ただし、試験の設計や被験者数によって、得られる結果の信頼性は大きく左右されます。そのため、プロトコルの策定段階から慎重な検討が必要です。

さらに、ヒトが実際に摂取することで、事前には予測できなかった反応や新たな知見が得られる場合もあります。こうした点も、販売前にヒト試験を行う意義の一つといえるでしょう。

ヒト試験の安全性や有用性

ヒト試験では、被験者の安全を最優先に進めるための体制が整っており、試験計画は倫理審査委員会によって詳細に審査されます。 試験内容やリスクの妥当性が確認されたうえで実施されるため、参加者が不必要な不利益を受けないよう厳密に管理されています。

また、実際に人が摂取したときの変化を直接確認できる点は非常に大きなメリットです。 動物試験や細胞試験では再現できない反応を把握でき、日常生活に近い条件での効果や安全性を評価できます。 加えて、摂取期間中の体調変化、満足度、生活習慣との相性など、実使用に直結する情報も得られるため、製品の信頼性を高めるエビデンスとして高く評価されます。 こうした点から、ヒト試験は機能性表示食品の開発において欠かせない重要な工程となっています。

ヒト試験の対象人数

ヒト試験に必要な対象人数は、試験目的や求めるエビデンスの強度によって変わります。 サンプル数は、摂取群と対照群の差が統計的に意味のあるものかを判断するために設計され、 効果の大きさやデータのばらつき、有意水準など複数の要素に左右されます。

また、年齢・性別・生活習慣などが似た被験者を集めることでばらつきを抑えられ、 必要な人数を効率的に見極めることができます。 そのため、候補者を多めに集め、本試験に参加する被験者を選別するスクリーニングが行われる場合も一般的です。

このように、対象人数には一律の基準はなく、試験デザインや評価項目に応じて 適切なサンプルサイズを設定することが、信頼性の高いデータを得るために重要となります。

ヒト試験の流れ

ヒト試験は、まず試験目的や評価項目を明確にしたプロトコル(試験計画書)を作成するところから始まります。 プロトコルでは、摂取量、期間、評価指標、統計解析方法などが詳細に定められ、倫理審査委員会で安全性と妥当性が確認されます。

承認後、条件を満たす被験者を募集し、事前検査で健康状態や生活習慣を確認したうえで試験を開始します。 試験期間中は、試験食の摂取や計測を計画通りに行い、必要に応じて医師や管理者が体調の変化をフォローします。

試験終了後はデータを解析し、効果や安全性について統計的に評価します。 個人差やばらつきを考慮しながら科学的に妥当な結論を導き、最終的には報告書や論文としてまとめます。 これらの成果は、機能性表示食品の届け出や原料の価値向上に活用され、製品開発における重要な根拠となります。

ヒト試験の方法について

ヒト試験は方法によってエビデンスの高さが異なります。観察研究(研究者が対象者の日常的な行動を調査する)と、介入研究(研究者が対象者に対して、試験食を摂取してもらうなどの、何らかのコントロールを行う)があり、介入研究の主な種類はオープン試験・単盲検試験・二重盲検試験です。それぞれについて詳しくみていきましょう。

オープン試験

オープン試験とは開放試験であり、介入内容が被験者と試験実施者の両方に開示されている試験です。どのような食品を摂取しているのかを知らされているため、バイアスが入りにくいことが特徴です。主に、機能性の科学的根拠を得るためにも使用される試験ですが、それ以上に探索的な試験や安全性の確認試験として用いられることが多くあります。ただし、被験者が摂取している食品を把握している状態で実施される試験のため、結果の正しい解釈には注意が必要です。

単盲検試験

単盲検試験とは、被験者のみが介入内容を知らされておらず、実施者側はどのような食品を摂取した試験であるのかを把握している状態で行われる試験です。介入内容を知っている側である実施者側にはバイアスが入る可能性があります。

一方、被験者の評価項目においてはバイアスが入るリスクが少ないため、オープン試験よりもエビデンスを得られやすい試験です。ただし、簡便で実施しやすい試験ではありますが、二重盲検試験と比べてバイアスは排除できない点は注意が必要です。

二重盲検試験

二重盲検試験とは、被験者と試験を実施する側の双方が、被験品(本物)かプラセボ(偽薬)かを知らされない状態で行う試験方法です。両者が事前に情報を持たないことで、先入観や期待による影響(バイアス)を最小限に抑えられるため、最も信頼性の高い試験形式とされています。

この手法は、他の試験方法に比べてバイアスのリスクが低く、科学的エビデンスとしての評価も非常に高いため、機能性表示食品や特定保健用食品の届出・申請において広く推奨されています。

ただし、試験の設計や実施が複雑で、コストも高額になる点には注意が必要です。そのため、実施にあたっては計画段階から十分な準備とリソースの確保が求められます。

ヒト試験によって機能性表示食品の安全性・効果が証明される

動物実験や細胞実験では、ヒトが摂取したときと同じ結果が出るとは限りません。ヒトが摂取して効果を検証することが重要であり、良い結果は有効性や安全性の評価につながります。

企業では、ヒト試験の結果を機能性表示食品の届け出や特定保健用食品、食品素材の承認申請に利用しています。商品を販売する前に安全性や効果を証明できるのは大きなメリットです。

ただし、試験の方法や人数によって、結果の信憑性が異なる場合があります。プロトコルを作成する際、慎重に検討しましょう。

機能性表示食品の臨床試験・届出支援に強い
食品CROおすすめ3選
ケイ・エス・オー
ケイ・エス・オー
引用元:ケイ・エス・オー公式HP:https://www.kso.co.jp/
  • パイロット試験から大規模試験まで対応可能。二重盲検・有効性試験などの実績も豊富
  • ノウハウを活かし、研究テーマに沿った被験者候補を選定
  • 成功・失敗事例に基づく研究設計コンサルティングが無料
対応試験範囲パイロット~大規模
コンサル費用無料(初期相談)
提携機関病院・クリニック10施設、
SMO5社
※2026年1月14日調査時点
CPCC
CPCC
引用元:CPCC公式HP:https://www.cpcc.co.jp/
  • 目標症例数10~30の小規模試験の実施実績が豊富
  • 10人前後のパイロット試験の対応に強み
  • クリニック併設で試験受託から報告まで連携がスムーズ
対応試験範囲パイロット~大規模
コンサル費用HP記載なし
提携機関クリニック・診療所4施設、検査機関8社
※2026年1月14日調査時点
TES
TES
引用元:TES公式HP:https://tes-h.co.jp/
  • データベースの再検索や研究レビューの更新のみも受託可能
  • 臨床試験だけでなく研究レビューから文献検索、論文作成・投稿など、届出に関する業務までトータルで対応
  • 化粧品の安全性・有効性評価試験が得意
対応試験範囲SR(研究レビュー)中心
コンサル費用HP記載なし
提携機関クリニック1施設
※2026年1月14日調査時点

【選定基準】各社のHPや臨床研究情報ポータルサイト(https://rctportal.mhlw.go.jp/)で「機能性表示食品の臨床試験」の支援実績が確認でき、論文掲載の実績もある食品CROを選定しています。(2024年5月1日時点)

おすすめ会社3選