研究レビューとは、臨床試験と同様に機能性表示食品の科学的根拠を示すために必要な調査となっています。論文検索や論文選定などの工程があり、専門的な知識が必要とされます。ここでは、研究レビューの特徴や注意点などを解説します。
研究レビュー(SR:システマティックレビュー)とは、特定のテーマや疑問に対して、既存の研究論文を網羅的かつ体系的に収集・評価し、科学的手法を用いて総合的に結論を導き出す方法です。国内外の文献データベースから、あらかじめ設定した条件で関連する論文を抽出します。抽出した論文を一定の基準で選別・評価し、バイアスを考慮しながら複数の専門家によって総合的に機能性や安全性を判断します。臨床試験と比べて費用や時間を抑えられる一方、既存の研究報告が十分に存在しない成分の場合は適用できません。
医療や食品分野では、最良のエビデンスを得るために広く活用されており、特に機能性表示食品の届出においては、製品の機能性を科学的根拠に基づいて説明する主要な手段の一つです。研究レビューを根拠とした場合、製品パッケージや広告には「成分には○○の機能が報告されています」などの間接的な表現が求められ、臨床試験のように直接的な機能性表示はできません。
研究レビューは、既存の複数の臨床試験や研究論文を系統的かつ明示的な方法で収集・評価し、総合的にまとめて結論を導く手法です。一方、臨床試験は、特定の仮説や介入について実際に被験者を対象に新たなデータを得るために実施する個別の研究を指します。臨床試験が「新たなデータを得るための実験」であるのに対し、研究レビューは「既存の臨床試験の結果を集めて全体像を評価する」点が主な違いです。研究レビューは、複数の研究結果を批判的に検討し、総合的なエビデンスを提示することで、個々の臨床試験よりも信頼性の高い結論が得られる場合があります。
研究テーマや疑問点を明確に設定し、ヒトを対象としたランダム化比較試験(RCT)やクロスオーバー試験など、エビデンスレベルの高い文献を対象とする必要があります。文献検索は国内外の複数のデータベースを用い、出版バイアスを避けるため未発表研究やグレー文献も含めて網羅的に行います。採用・除外基準や検索式、スクリーニングの手順は計画書に明記します。選定理由の記録も必要です。
収集した文献の質やバイアスリスクを評価し、妥当性をスコア化することが求められます。最終的に、結果や考察を明確に記載し、科学的根拠として十分な透明性と再現性を確保することが重要です。
研究レビュー(SR)は以下のステップで作成します。
ここでは、研究レビュー作成の流れに沿って、研究レビュー(SR)に必要な情報と文献検索の進め方、論文選定のプロセスを解説します。透明性の高いレビュー作成のポイントも紹介しますので、参考にしてください。
研究レビュー(SR)作成には、次の情報が必要です。
まずはリサーチクエスチョンを明確化しましょう。関連する文献を網羅的かつ系統的に検索し、あらかじめ設定した採用・除外基準に基づいて文献を選定します。その後、選定した論文から必要なデータを整理・抽出し、各研究の方法論や質、バイアスリスクを評価しなければいけません。さらに、抽出したデータを統合・解析し、結果を総合的に考察します。最後に、得られたエビデンスに基づいて結論を導出し、透明性と再現性を確保した報告書を作成することが求められます。
文献検索は、明確なリサーチクエスチョンを設定することから始まります。次に、PICOなどの枠組みに基づいてキーワードを選定し、少なくともMEDLINEやEmbase、分野特化型DBなど3つ以上のデータベースを用いて徹底的に検索します。
検索式はシソーラスや同義語も活用し、各データベースの特徴に合わせて調整しましょう。また、出版バイアスを避けるため、学会要旨や学位論文、臨床試験登録情報などの灰色文献も対象に含め、網羅的な情報収集を行います。参考文献リストのチェックや専門家への問い合わせも有効です。検索過程や採否基準、得られた文献リストは記録・保存することで、再現性と透明性を保証します。
論文選定のプロセスでは、文献検索で得られた論文から重複を除外し、あらかじめ定めた採用・除外基準に従って進めることが重要です。一次スクリーニングでは、タイトルと要旨を確認し、明らかに基準を満たさない論文を除外します。次に、一次スクリーニングを通過した論文について全文を精査します。内容が採用基準を満たしていることを評価する二次スクリーニングを行います。この際、複数人が独立して審査することが重要です。意見が分かれた場合は合議や第三者の判断で最終決定します。
レビュー作成のポイントは、リサーチクエスチョンを明確にし、あらかじめ定めた基準で文献を選定することです。選定した論文から必要なデータを正確に抽出し、各研究の質やバイアスリスクを評価します。その上で、抽出データを体系的に整理し、結果を一貫性のある形でまとめましょう。
PRISMAガイドラインなど国際的な基準に従い、文献検索や選定の過程、採否基準、最終的な選定結果を透明性高く詳細に報告することが重要です。再現性や信頼性が担保され、他の研究者や関係者が評価しやすくなります。
研究レビューとは、研究分野や課題について、すでに行われた先行研究を体系的に収集・評価・統合することで、その分野の知見を総括的に概観する調査のことを示します。特に機能性食品分野においては、さまざまな研究がある中で信頼できるエビデンスを抽出し、総合的に評価する必要があるため、研究レビューは重要な工程といえるでしょう。系統的レビューによって批判的に評価し、統合することで、機能性関与成分の機能性の程度や妥当性を総合的に判断できます。
研究レビューを実施する際の具体的な手順は、検索対象の設定を行い、文献データベースの選定などの事前準備をします。適格基準に基づき、文献をスクリーニングし、選択された文献の批判的検討を行います。たとえば、機能性表示食品であれば、「疾病の罹患者を対象にしている」「未成年者を対象にしている」「アルコールを含む飲料、塩分・糖分・脂質等の過剰摂取につながる食品」などは対象外とします。残った個別の論文をまとめ、届出する商品のヘルスクレームを示せる科学的根拠・妥当性を説明します。
研究レビューは専門性の高い手法であり、機能性の科学的根拠の質を高めるためには、的確に正しい調査を実施しなければなりません。選択された個々の研究について、バイアスリスクを慎重に評価する必要があったり、非臨床試験の位置付けを明確にしたりといった高度な知識が必要です。研究レビューの結果の解釈については、客観的でバイアスを減らさなければならず、一定のルールに基づき文献を検索し、総合的に評価することが重要となります。
機能性表示食品における研究レビューとは、機能性関与成分に関する臨床試験の論文・文献をもれなく調査し、体系的に評価をまとめたものです。一定のルールに従い、論文検索や論文選定、論文ごとの試験結果を総合的にまとめ、届出する商品のヘルスクレームが言える科学的根拠・妥当性を説明します。
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| 対応試験範囲 | パイロット~大規模 |
|---|---|
| コンサル費用 | 無料(初期相談) |
| 提携機関 | 病院・クリニック10施設、 SMO5社 ※2026年1月14日調査時点 |
| 対応試験範囲 | パイロット~大規模 |
|---|---|
| コンサル費用 | HP記載なし |
| 提携機関 | クリニック・診療所4施設、検査機関8社 ※2026年1月14日調査時点 |
| 対応試験範囲 | SR(研究レビュー)中心 |
|---|---|
| コンサル費用 | HP記載なし |
| 提携機関 | クリニック1施設 ※2026年1月14日調査時点 |
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